もらとりあむタマ子

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見ましたので、感想です。

 

大学卒業後、就職も進学もせず実家に帰省中のタマ子の一年を描いた作品。何か大きな事件が起こるわけでもなく淡々と過ぎていく毎日。変わらない田舎の風景と、続いていく日常の中でゆっくり変わっていく周りの人やタマ子自身。作品の空気感や登場人物のやりとりが緩いのに緊張感もあって、暖かいような切ないような、不思議な居心地の良さを感じた映画でした。見入っちゃった。

 

タマ子に自分を重ねて見てしまう部分もあった。口だけで何もしないところとか、自分には可能性があるとなぜか感じているところとか。あとタマ子は父親が自分を許すような行為したら拒否したのに、最後「出て行け。」と言われたら時にはあっさりそれを呑んだ。これ、分かるなぁと思った。うまく言えないんだけど、凄い分かる。モラトリアムの甘えかもしれない。楽したいし甘えたい、優しくしてほしい。でも仕方なく優しくしてくれるくらいなら、きっぱりと冷たくして欲しい。愛情は欲しいけど同情はいらない。タマ子も、そんな風な気持ちだったんじゃないかな。

 

あと、タマ子の地元の田舎描写が良くてロケ地巡りしたくなった。時々物凄く綺麗に田舎を映している作品あるけど、ちょっと興醒めしちゃうので、これくらい生々しく写してくれた方がいい。(これでもまだ綺麗なほうかもしれないけど。)

 

そしてとにかくタマ子役の前田あっちゃんが可愛い。タマ子は仏頂面だったり、だらしない姿が多いんだけど、それが可愛い。以前この作品を見た友達が「前田あっちゃんは可愛くない役をやらせたら本当に可愛い」と言っていたけど、まさに!と思った。

 

何にもしたくない時とかに、また見ようと思います。